免責不許可事由がある場合の自己破産申立て
「免責」とは?
破産の決定があっても、負債の支払が免除されるわけではありません。
さらに、「免責」の決定を受けて初めて、法律上、負債を支払う義務が免除されます。
また、破産決定があると、職業上の資格制限が発生するのですが、免責決定があるとこれが元に戻ります。(「復権」と言います。)
このように、「免責」は破産を申し立てる方にとっては非常に重要なものであり、自己破産をする一番の目的は免責を得ることである、と言えます。
「免責」を受けられない場合
破産法では、「免責不許可事由」が定められております。
これに当てはまる場合、免責を受けることができない可能性があります。
例を挙げますと、
● 財産を隠した場合
● 浪費、ギャンブル等によって多額の財産が失われた場合
● 破産管財人に対する説明を拒否したり、職務を妨害した場合
などは、免責不許可事由に該当します。
「免責不許可事由」があっても、裁量により免責されることもある
ただし、免責不許可事由があると必ず免責不許可になる、というわけではありません。
破産に至る経緯など一切の事情を勘案して、裁判所が裁量により免責を認めるケースが相当数あります。
大阪地裁の場合、比較的重い免責不許可事由がある場合、破産管財人による生活状況の観察や指導を行い、その結果によって免責を認めるかどうかを判断するという取扱いがなされています。
免責不許可事由がきわめて重大な場合は別として、正直に財産状態を開示し、誠実に説明義務を果たし、破産管財人の指導に従って行動していれば、免責が認められる可能性は非常に高いです。
免責が認められなかったケースの中で目立つのは、財産を隠し、それについての説明を拒否する場合です。
自己破産をする場合、当たり前のことですが全ての財産を正直に申告すること、そして、破産管財人から質問があった場合にはこれに誠実に答えることが不可欠です。
破産者は、破産管財人に対する説明義務、重要な財産を開示する義務を負っており、これに違反することもまた免責不許可事由になります。
当事務所では、自己破産申立て、免責申立てに関するご相談をお受けしております。
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2016/11/04