別居中に児童手当を受け取るには
離婚前にお子さんを連れて別居しているお母さんから、「夫が児童手当を渡してくれない」という訴えを聞くことがあります。
児童手当は、子どもを監護し、生計を同一にする父または母に支給されます。
父と母とどちらに支給されるかというと、所得の高い方に支給されます。現在、一般的に男性のほうが高収入であることが多いので、夫名義の口座に入金されるというケースが多いのです。
別居後もそのままの状態にしておくと、実際に子どもを育てているのは妻なのに、夫が児童手当を取りこんでしまうということが起こります。
このようなケースでは、以前は、夫が手続に協力しない限りは振込先を変えられない、という対応をされていたのですが、現在では、夫婦が別居していて離婚協議中の場合、児童手当の受給者を妻に変更することができるようになりました。
その際、妻が子どもと同居していることを証明するため、住民票上、妻と子が同世帯になっていることが必要とされています。
また、離婚協議中であることを証明する書類が必要です。
例えば、調停中の場合は、離婚調停の期日呼出状、事件係属証明書(家庭裁判所に申請すれば発行してもらえます)などです。
調停を申し立てていない場合は、離婚申入れの内容証明郵便の写しや、弁護士が作成した証明書(離婚について弁護士を依頼しているとき)でも受け付けてもらえるようです。
DV事案で、裁判所から保護命令が出されている場合などに関しては、住民票を移さずに児童手当の受給者を妻にできるケースがあります。また、DV事案では住民票の閲覧等に制限をかけて夫に新住所を知られないようにすることも可能です。お住まいの自治体に必要書類や要件をお問い合わせの上、お手続きください。
2016/11/18