法律基礎知識

別居中の夫が生活費を払ってくれない時

離婚を前提に別居している場合、収入の少ない方(妻であることが多い)から収入の多い方(夫であることが多い)に対する生活費の請求ができます。

生活費の請求のことを、法律的には「婚姻費用分担請求」と呼んでいます。

もちろん、離婚を前提とする別居に限らず、婚姻中であれば婚姻費用分担請求は可能です。

婚姻費用についても、裁判所が公表する「算定表」に基づいて決められるケースがほとんどです。

算定表の見方については、養育費と同じです。

なお、以下では、説明を分かりやすくするために、収入の少ない妻から収入の多い夫に対して婚姻費用を請求する場合を前提とします。

婚姻費用の基本的な考え方は下記のとおりです。

夫婦の基礎収入をもとに、妻が必要とする婚姻費用を算定し、そこから妻の基礎収入を差し引いて夫の負担分を出します。

 

計算方法

① まず、夫と妻双方の「基礎収入」を算出します。

基礎収入については、養育費の算定に関連して説明していますので、こちらをご参照ください。

② 夫の基礎収入と妻の基礎収入を合計します。

これを「世帯収入」といいます。

③ 「世帯収入」を「生活費の指数」で按分して、妻の婚姻費用を弾き出します。

「生活費の指数」についても、養育費の算定で説明しているのと同じです。

例  夫の基礎収入 300万円、  妻の基礎収入 100万円

妻が10歳の子と同居していて、夫に婚姻費用分担を求める場合

300万円+100万円=400万円

400万円×100+55/100+100+55=243万1373円… 妻の世帯が必要とする婚姻費用

④ ③で弾き出した「妻の世帯が必要とする婚姻費用」から、妻の基礎収入を差し引きます。   これが、夫に請求できる婚姻費用の額です。

③の例でいうと、

243万1373円-100万円=143万1373円(年額)

これが、夫が負担すべき婚姻費用となります。

以上の計算を簡略化したものが、婚姻費用算定表です。

 

婚姻費用算定表では、夫婦の収入がクロスする箇所をみると、婚姻費用の目安が分かるようになっています。
当事務所では、婚姻費用請求に関するご相談をお受けしております。

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2017/01/12

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