慰謝料の代わりに養育費を高くする?!
離婚の際に、相手方に資力がなく、一括での慰謝料支払いが困難なことがあります。
そのような場合、「慰謝料は要らないので、その代わりに養育費を相場より高めにもらいたい」という希望される方が多くいらっしゃいます。
しかし、注意しなければならないのは、養育費は、一度決めたら絶対に不変というものではなく、将来の双方の経済状態などが変われば、変更される可能性がある、ということです。
つまり、例えば、夫の給与が減額されたり、再婚して扶養家族が増えたりすると、養育費も減らされる可能性があるのです。
また、設定した金額があまりにも高額で相手方の収入からの支払いが困難だと考えられる場合に、家庭裁判所の判断で減額が認められた例もあります。
(※もちろん、逆に、事情の変更により増額が認められることもあります。)
これに対して、慰謝料は、養育費とは全く性質の違う金銭で、離婚せざるを得なかったことに対する損害賠償金であり、一度合意すれば金額が変更されることはありません。
養育費とは違い、相手方の経済力が変わっても、減らされることはないのです。
したがって、慰謝料を請求できるケースにおいては、うやむやにしないで、きちんと慰謝料を合意し、一括払いができない場合には分割払いで支払ってもらうべきだと考えます。
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堺けやき法律事務所 弁護士 深堀 知子
2017/04/07