成年後見監督人がつくのはどんな場合でしょうか?
成年後見の申立てをした場合、申立人が希望していないのに「成年後見監督人」が選任されることがあります。
これに関連し、例えば、
「親が認知症になり、子どもが成年後見人になりたいとして申立てをした。
子どもが成年後見人になることは認められたが、それにプラスして監督人を付けると言われてしまった。
何か問題があったのかと不安なのですが、監督人とは何ですか?」
というご相談が時々あります。
成年後見監督人は、裁判所の判断で付けられるもので、後見人の財産管理にサポートが必要であると考えられる場合に選任されます。
よく見られるのは、預貯金の金額や収入の額が多い場合など、財産管理の規模が大きい場合です。
最近では、きちんと財産管理ができる方が後見人に選ばれていても、財産の額が大きいと一律に監督人を付ける傾向があります。
監督人には弁護士が選ばれることが多く、私も何件か監督人を担当しています。
なお、監督人には一切利害関係のない人物を選ばなければならないので、申立人が「この人にしてほしい」と指定することはできません。
他には、
後見人の体調や年齢などから、ご自身で財産目録を作ったり必要な事務手続きを行なうのに不安がある場合、
収入の変動が大きく、定期的に財産の確認が必要な場合
本人と後見人との間に、金銭の貸し借りなどがある場合
本人の財産状況が不明確な場合
遺産分割などが予定されていて、後見人と本人との間に利益相反がある場合
などの場合にも、監督人が選任されることがあります。
監督人を付けるかどうかは裁判所の裁量で、上に挙げた事情には該当しなくても、本人の利益を守るために必要だと判断されれば付けられることもあります。
ただし、成年後見監督人の選任決定には理由は記載されません。理由を知りたい場合には、裁判所に問い合わせて口頭での説明を受けることになります。
決定書に理由が書かれないこともあってか、「なぜ監督人が付けられたのか納得ができない」と反発されることがしばしばあります。
その結果、後見人である親族と、監督人とのコミュニケーションがスムースにいかないこともあるので、監督人の選任に際し、裁判所から何らかの説明があればベターだと感じています。
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2017/03/07