法律基礎知識

破産したことを秘密にしたい

破産したことを家族や職場、友人に知られたくないのですが、大丈夫でしょうか?と聞かれることがあります。

一般的に、破産の手続きを進めるにあたって、弁護士を代理人にしている場合には、裁判所からご本人に直接連絡が行くことはありませんし、職場に連絡することもありません。

ご希望があれば、弁護士からご自宅には連絡をしないようにしますので、その旨をお伝えください。

ただし、破産の手続き上、ご家族の協力を得なければならないことがあります。できれば、ご家族には事情を話して理解を得ておくことが望ましいと思います。

具体的には、破産の手続きにあたっては、「世帯」での収支状況を報告することが求められます。
家計の管理を配偶者に任せている方の場合は、配偶者の協力なしでは、破産手続の準備が非常に困難になります。
また、光熱費の引き落とし通帳が配偶者名義になっている場合には、その通帳を提出する必要があります。

また、家族、友人・知人、勤務先が債権者になっている場合には、破産したことを秘密にしておくことはできません。
例えば、勤務先からお金を借りている、知人から購入した物品の代金を支払っていない、など、何らかの支払い義務を負っている場合です。保証人になってもらっている場合も同様です。

このような場合は、相手方を裁判所に提出する「債権者一覧表」に載せなければならず、相手方には裁判所からの通知が送付されます。

なお、破産すると、必ず、「官報」という国が発行している新聞のようなものに住所と名前が掲載されます。
官報は誰でも見ることができるものなので、厳密な意味で秘密にしておくことは不可能です。

しかし、官報に掲載される情報量は膨大で、一般の方で、これをチェックしているという人はほとんどいません。
したがって、たまたま、官報に名前が載っているのを知人に見つけられてしまった…という事例はまずありません。

 

破産申立てに関してご心配なことがある方は、ご遠慮なくご相談ください。

メールでの相談にも応じております。

2016/11/01

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