法律基礎知識

自分で離婚調停を申し立てたい方へ

本日は、ご自分で調停を申し立てるにはどうしたらいいか?というお話をしたいと思います。
件数の多い離婚調停についてご説明しますが、基本的には他の種類の調停も同じです。
離婚の法律相談に来られる方からは、「弁護士を立てないと離婚調停はできないのですか?」という質問をよくお聞きしますが、もちろんご本人のみでも調停申立ては可能です。 調停は、基本的に裁判所の力を借りて当事者が話し合いを行うものなので、法律に詳しくない方でも利用しやすい制度だと言えます。

ご自身で調停を申し立てる場合には、
①申立書を書いて、
②添付書類を準備して、
③印紙と切手を買って、
④裁判所に提出しに行けば
完了です!

 

① 離婚調停の申立書

 

申立ての書式は、お近くの家庭裁判所に行って「用紙下さい!」と言えばもらえますし、ネット上でダウンロードすることもできます。

 

裁判所が提供している離婚調停の申立書書式及び記入例はこちらをクリックしてください。

調停申立書は、裁判所用と相手方送付用の2通を準備します。

調停申立書は、裁判所を通じて相手方に送付されますので、相手方に知られたくない住所や事情を記載しないように注意する必要があります。

裁判所に申立書以外の資料を提出する場合も、基本的には2部用意し、1部は裁判所に、1部は相手方に渡すという扱いになります。

したがって、例えば源泉徴収票に住所が記載されている場合などは、住所部分を黒塗りにしたコピーを提出します。

黒塗りにすると意味がなくなってしまう書類の場合は、非開示にしてほしいという申し出を行うことができますが、非開示にするかどうかは裁判所の判断となり、100%非開示が保障されるというわけではありません。

 

② 添付書類

申立書には、必ず戸籍謄本を添付します。

離婚と同時に年金分割を請求する場合には、「年金分割のための情報提供書」が必要です。
「年金分割のための情報提供書」は、厚生年金の場合は年金事務所にて申請しますが、その申請のためにも戸籍謄本が必要となりますので、年金分割を希望される方は、戸籍謄本を2通取り寄せておきましょう。

 

 

③ 費用

離婚調停申立てに必要な費用は収入印紙1200円分と、当事者に連絡するのに使う郵便切手代です。

郵便切手代は、大阪の場合は1000円程度ですが、82円が何枚、10円切手が何枚、というように内訳が決まっており、切手を購入して窓口に持参する必要がありますので、事前に裁判所に問い合わせてください。

裁判所内の売店等でセット済みの切手を販売している場合もあります。

 

④ 提出先

提出できる裁判所は、原則として「相手方の住所地を管轄する家庭裁判所」になりますのでご注意ください。

裁判所の手続は、当事者の住所によって、どこの裁判所を利用できるかが決まっています。

どこの裁判所になるか調べたい方はこちらをクリックしてください。裁判所のホームページに飛びます。

お互い、近くに住んでいる場合は問題ないのですが、遠隔地で別居している場合は、申立てをする人が、相手方の住所地まで出向く必要があり、交通費の負担が大きくなることがあります。

裁判所が遠い場合、申立書の提出は郵便でも可能です。

 

当事務所では、離婚調停を代理人としてお引き受けすることもできますし、ご相談だけを受けていただき、ご自分で調停を進めることも可能です。

ご不明な点がありましたら、お問い合わせください。

2016/11/18

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