法律基礎知識

離婚と不貞の相手方への慰謝料を請求したいとき

不貞を理由とした離婚の件のご相談で、

夫には離婚を請求し、相手の女性には慰謝料を請求したいが、それぞれ相手が違うので、別々に進めなければなりませんか?

というご相談がありました。

 

昔の法律では、主張する権利の性質が異なるので、併せて一つの訴訟にすることはできないという考え方が採られておりましたが、

現在の人事訴訟法では、一挙に解決できるようになっています。

したがって、1件の訴訟の中で、夫と相手の女性の2人を被告にして、離婚と慰謝料請求を行なうことが可能です。

離婚も慰謝料請求も同じ事実関係を立証することになりますので、1つの手続の中で解決できるのは当事者の負担を軽くすることになります。

 

しかし、必ず一緒にしなければならないわけではなく、離婚の裁判を起こした後に、別途、女性への慰謝料請求をすることもできます。

離婚訴訟の中では、不貞行為についてだけではなく結婚生活全般について主張立証が行われるのが通常ですので、不貞行為と関係のないことを相手の女性に全部知られるのは抵抗がある、という場合もあると思います。

そのような場合には、二度手間になり費用もかかりますが、別々に手続をする道もあります。

 

なお、離婚の請求は、訴訟を起こす前に必ず調停を経なければならないこととされていますが、不貞相手への慰謝料請求にはそのようなルールはなく、直接訴訟を起こすことも可能です。

 

当事務所では、離婚や慰謝料請求に関するご相談をお受けしております。

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2017/02/13

慰謝料/法律基礎知識