法律基礎知識

離婚調停にかかる期間は?

調停は1か月に1回程度のペース

調停を申し立てる方は、一刻も早く離婚したいとお考えのことと思いますが、通常、1回目の調停期日は、調停を申し立ててから約1か月後で、その後もだいたい1か月に1回ずつ期日が開かれます。  ただし、調停委員と当事者双方の都合を合わせて日程を決めるので、なかなか都合が合わずにかなり間が空くこともあります。

調停期日は、何回までで結論を出すという決まりはありませんので、「何か月で終わります」とはっきり言うことはできないのが実際のところです。

申し立てた側と、相手側との合意がまとまるか(調停成立)、あるいは、これ以上話し合っても結論は出ないという状況に至った時(調停不成立)まで、何度も調停を重ねます。

調停が不成立になってしまったら、訴訟を提起することになります。

改めて訴訟の手続きを取らない限り、現状のまま(=婚姻関係が続いたまま)となります。

 

調停の期間は平均的な方で半年くらい

過去に経験した例から言いますと、平均的なケースでは「調停が終了するまで半年」という感覚です。

平成25年の司法統計によりますと、婚姻関係事件(離婚だけではなく、婚姻費用分担事件などを含む)のうち、半年以内に終了する事件が全体の約74%を占めています。さらに、1年以内には95%以上の事件が終了していますので、ほとんどの方が1年以内には終わると言ってよいでしょう。

1~2回の調停で終わるのは、離婚すること自体は双方とも異論がなく、親権や金銭的な問題についても争いが少ないケースです。

 

長引くケースの特徴

調停が長引く要因はいろいろありますが、「相手が離婚に応じるかどうか態度をはっきりしない場合」と「財産分与で揉めている場合」には長くなる確率が高いようです。

 

まず、相手が態度をはっきりしない場合にどうして長引くのか。

離婚調停で決めなければならないことは、まず、離婚をするかどうか。

そこがはっきりしないと前に進めません。

相手が、明確に「離婚には絶対応じない」と言っていれば、すぐに調停不成立になる可能性が高いですが、あやふやなままだと、話がストップしてしまいます。

例えば、相手が、「次回までに離婚するかどうか考えたい」と言えば「それなら次回まで待ちましょう」ということになります。

数回期日を重ねた上で、やっと相手が離婚を決意したという場合は、その後に、では親権者をどちらにするか、養育費は、慰謝料は、財産分与は、年金分割は…というように、話し合いを進めていくことになるので、調停に長期間かかります。

 

次に、財産分与で揉めている場合に、どうして長引くのか。

まず、財産分与というのは、夫婦が結婚している間に協力して築き上げた財産をどんなふうに分けるか、という話です。

初めに、対象となる財産にどんなものがあるのかリストアップするのですが、どちらかが通帳を出し渋ったりすると、確定するまでに時間がかかります。

また、例えば不動産の場合ですと、「不動産をどちらかが取るのか、売却して金銭を分けるのか」「一方が不動産を取得する場合、不動産をいくらのものとして評価するか」という問題が出てきて、なかなか結論が出ないことがあります。

または、預貯金であっても、自分が結婚前に稼いだお金が混じっているという場合は、「結婚前に稼いだお金」と「結婚後に稼いだお金」を分けた上で、「結婚後に稼いだお金」の部分を夫婦で分けることになりますが、金額がはっきりしない場合はやっかいです。銀行に依頼して取引履歴を取り寄せたり、双方の認識をすりあわせたりしていると、時間がかかってしまうのです。

 

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2016/11/11

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