法律基礎知識

勝手に離婚届を提出されないようにするには

協議離婚は、夫婦の双方が署名した離婚届を役所に提出することにより成立します。

その際、夫婦が揃って役所に行く必要はありません。

通常、夫婦のどちらかが単独で提出することが多いと思われますし、さらに進んで代理人に提出してもらったり、郵送で提出することもできます。

そのため、ケースによって、本人が離婚するつもりがないのに、勝手に離婚届が提出された、という事態が発生します。

さすがに、離婚届の署名を偽造するケースはあまり聞いたことがありませんが、よくあるのは、

「数年前に離婚の話し合いをしたときに相手に離婚届を預けたものの、その後よりを戻して仲良く生活していた。ところが、最近、相手が突然離婚届を出してしまった。」

というようなご相談です。

このような場合、離婚届が提出された時点で、こちらには離婚する意思がなかったわけですから、離婚は無効であると主張することができます。

しかしながら、実際に戸籍を訂正するためには判決を得なければなりません。かなりの労力を要しますし、時間も費用もかかります。

 

 

そのため、本人の意思に基づかない離婚届の提出がなされる恐れがある場合には、

協議離婚届の不受理申出

ができることになっています。

相手が勝手に離婚届を出してしまうかもしれないという懸念がある場合には、不受理の申出をすることをお勧めいたします。

不受理申出をしますと、協議離婚の届出がされても、本人自身が窓口に出頭して届け出たことを確認することができない限り、届出は受理されません。

不受理の申出をしたいときは、本籍地のある市役所または町村役場の戸籍係に行って手続をして下さい。原則として本人が直接窓口に行く必要があります。

手続の方法や必要書類について、詳しくは、本籍地のある市町村にお問い合わせください。

不受理申出は、勝手に婚姻届が出される危険がある場合にも利用できます。また、養子縁組、離縁、認知の届け出についても不受理の申出ができます。

 

今回の法律基礎知識は参考になりましたでしょうか?

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2016/09/29

協議離婚