生前に相続を放棄することができるか?
たまに、生前に相続を放棄させたい!というご相談を受けることがあります。
親の立場から、自分の死後に相続で争いが起きないように、予め子どもを納得させておきたいというお気持ちだったり、
子の立場から、兄弟間で不公平があると感じており、兄弟のひとりに放棄をさせたいというご希望だったりします。
あるいは、親に借金が多いので、それを引き継ぐことを避けるために生前の放棄はできないのか?というご相談もあります。
しかし、相続は、予め放棄しておくということはできません。
法律上、当人が死亡し、相続人になって初めて放棄の手続きができるということになっています。
相続放棄には期限があり、相続が開始したことを知ってから3か月以内に手続をしなければなりませんので、放棄をお考えの方は期限にご注意ください。
以上に対して、「遺留分」に関しては、生前の放棄が可能です。
「遺留分」というのは、相続人(兄弟姉妹以外)に認められているもので、一定割合の相続財産を受け取れる権利です。
生前に遺留分を放棄するには、「家庭裁判所の許可」が必要です。
家庭裁判所では、本人が自分の意思で遺留分の放棄を希望しているかどうかを確認します。
遺留分を侵害する内容の遺言書を書いた場合、実際に相続が始まった後に遺留分権利者が権利を主張し、紛争が生じる可能性があるわけですが、
遺留分権利者に遺留分の放棄をしてもらえば、紛争の芽を摘むことができます。
遺言書は、遺留分に配慮した内容にするか、あるいは、遺留分権利者とよく話し合って生前に放棄をしてもらうのがベストです。
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2017/01/27