法律基礎知識

遺留分を取り戻すにはどうしたらよいか

法定相続人(※ただし兄弟姉妹を除く)には、法律上、遺言があっても、一定割合の相続財産が確保されており、これを「遺留分」と言っていますが、

遺留分は、黙っていても手元に入ってくる性質のものではありません。

遺留分は、積極的に請求しない限り、受け取れない権利です。

 

例えば、全財産を子どもAだけに相続させる一方で、子どもBには何も残さないという遺言を書いたとします。

Bがこの遺言を知っても、「私は、生前、たくさん親にお金を使わせたから仕方がない」と納得すれば、遺言は100%実現され、遺言の効力には一切影響を与えません。

Bが、「遺留分の権利を行使する」と意思表示した場合に、初めて、遺留分を確保できる権利が生じます。

 

そして、遺留分の請求には、期限があります。

民法上、遺留分の権利を有している者が、相続の開始及び減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から1年で時効にかかると規定されています。

これは、要するに、被相続人が亡くなられたこと、そして、遺言によって遺留分が侵害されていることを知ったら、1年以内に遺留分を請求しなさい、ということです。

なお、被相続人が死亡してから20年が経過してしまうと、遺留分権利者が事情を知っている、知らないにかかわらず、遺留分の請求は一切できなくなります。

 

したがいまして、遺留分を取り戻すには、

まず、1年以内に、相手方に「遺留分を請求する」という意思表示を行なうこと

が必須の要件となります。

具体的には、きちんと意思表示をしたことを記録に残すため、「内容証明郵便」を使って請求するのがベストです。

この意思表示さえ行っておけば、実際の財産のやり取りは1年を過ぎてしまっても問題ないとされていますので、とにかく、早めに意思表示を行っておくことが重要です。

 

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2017/01/23

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